頑張る人ほど空回り。
人事担当者として、新入社員の命を守れなかった過去。
自分の命を失いそうになった自律神経失調症。
そして、尊い命を守れた経験。
今、大学や厚労省のキャリアコンサルタントとして…
私は過去に大切な新入社員の命を守ることができませんでした。
私は自分を責めました。
私ができることを、色々な理由をつけて行動に移さなかった結果ではないのか?
本当は新入社員の辛さを感じていたのではないのか?
立ち直れなかった私。
それでも、しばらくして「もしまた同じような状況になったとしても、
同じことを繰り返すことだけはしない」と心に決めることで、前を向いて進めるようになりました。
仕事で深く傷ついている方のお話を聴く機会や関わりが増えていく中で、
新入社員の命を守れなかった経験が蘇ってきました。
そこで私は、傷ついているであろう彼と繋がりを持ち、とにかくあなたのことを気にしている人がいるのだ
ということを彼に伝え続けました。結果、いつの間にか仕事にも慣れ、私が声をかけなくてもなんとか過ごせている彼の姿をみて一安心。
ある日、そんな彼が、「今の僕がここにいるのは田上さんのおかげです、ありがとうございました」と、
涙ながらに握手しながら伝えてくれました。彼の手のぬくもりを今でも忘れられません。
決して大きなことではないけれど、自分のできることを行動に移したことで彼の命を守ることができました。
そして、私の中で少し肩の荷が下りた瞬間でもありました。
ところが、今度は私自身が上司からのパワハラに苦しみ、命を失いそうになりました。
ただ目の前のことを一生懸命頑張っていただけなのに、上司に振り回され、ストレスを溜めに溜めました。
あのときの私は誰一人として私の味方ではない、と思い込み、
自分で自分を大切にすることを忘れていました。
35歳で自律神経失調症と診断され、人生の歩みを一度止めました。
「働くことに意味があるのか?」そんな事ばかりを考える辛い時間が続きました。
暫くして自分を取り戻したころ、ふと思ったのです。
「そうだ!傷つきながら働く人をなくそう。命の尊さを見失うほど、辛い働き方をなくそう!」
助けることができた彼の言葉に支えられ、そして一人で頑張り続けている人の少しでも力になれれば、と
2011年、キャリアコンサルタントになりました。
幸いにも多くの人とのご縁に恵まれ、
などの経験を積ませていただくことができました。
私自身、働き方の多様性、自分に合った環境で働くことや人を大切にする人たちと出会うこと、
そして何よりも、人を支える重要性と人に支えてもらう大切さを、身をもって感じています。
そして今は『傷つきながら働く人を“0”に』というミッションを掲げ、
そんな社会の実現を目指して、みなさんのお話を聴かせてもらっています。
すべての人が自分に正直に、自分が大切に思うことや楽しいと思うことを仕事にできたなら。
そんな考え方で、お客様が自分に合った環境に巡り合うお手伝いをしています。
あなたは一人ではありません。どうか尊い命を大切にしてください。