親の顔色を見て育ったあなたへ | Office Aina

「傷つきながら働く人を"0”に!」
厚生労働省人材開発支援事業
「企業内キャリアアップ面談」「人材育成企業内研修」担当

親の顔色を見て育ったあなたへ

私を含め、「親の顔色を見て育った」と言う人は、
いま、もしかすると生きづらさを感じているかもしれません。

親の機嫌や感情を敏感に感じ取り、自分がどのように振舞えばよいのか?
を子どもながらに一生懸命考えて行動する。
それは大人になった今でも人間関係の構築や
人との距離の取り方などに影響があるのではないでしょうか。



一方では自立したしっかりした人間として育ち、
一方では人の顔色に敏感で自己肯定感の低い人間となっているかもしれません。

少なくとも、今までの私はそうだった、と思います。
(今もちょっとそうかもしれない)

私は結構なオトナになるまで生きづらさを感じて生きてきました。
現在でも少し生きづらさを感じることはありますが、以前よりは全然マシになりました。


そもそも親の顔色をうかがいながら育った私自身を振り返ると、

自己肯定感はとても低く、
親の機嫌に左右されるので緊張や不安を常に抱いており、
どうすれば怒られずに済むのかを優先して行動するようになり、
自分の感情を伝えることがあまり上手ではなく、
対人関係をうまく築けないことが多かったように思います。

自己肯定感とは自分の存在を認め、ありのままの自分でOKとすること。

ひとりっ子だった私は大人の中で育ったこともあり、
母親や祖母の期待に応えようと頑張らざるを得ない環境で過ごしていたました。

特に祖母においては母の幼い頃と比較して、
如何に母のデキがよかったのか、を幼い私に滔々と話しました。

おかげで何をしても母には叶わない、
必死に頑張らないと認めてもらえないと感じる私ができあがりました。
思えば、このころには自分の心の声を聴くことを止めてしまったのかもしれません。

自分の思う行動を取るよりも、
母や祖母が喜び、褒めてもらえる
2人の期待に応えるような行動を取ることを優先するようになっていました。


そうやって育った私は、対人関係を築くのは滅茶苦茶へたっぴです。
小さい頃の方が人との関わりを積極的に行えていたように思います。

大きくなるにつれ、親の顔色を見ていたのが
周囲の人の顔色を見ることに変わっただけで、
他人からの評価や感情や機嫌に左右されるという状態には変化がありませんでした。


失敗したくない、人を不快にしたくない、いい人だと思われたい・・・
これは幼い頃に祖母や母に対して抱いていた感情と同じものだったんだと、
いろんな学びを経て気づくことができました。

このブログを読んでいる方の中にも、
失敗したくない、人を不快にしたくない、いい人だと思われたい・・・
と頑張り過ぎてしまっている人もいらっしゃるかもしれません。

もし生きづらさを感じているのであれば、
一度立ち止まって自分と向き合うタイミングが訪れているのかもしれません。

向き合うためには生きづらさの原因を知っておくことも必要になってきます。

実際、今の社会は2人に1人が生きづらさを感じているそうです。
約2人に1人が「生きづらさを感じる」と回答 – それを実感する場所、最多は? | マイナビニュース (mynavi.jp)

生きづらさの原因は多種多様になると思いますが、
私がコミュニケーションや心理学を学ぶ中では
幼少期の経験や親との関係(私の周りでは母親との関係)に
何らかのキッカケがあるということを知りました。

実は私は母親との関係は良好で
「モーマンタイ!!(無問題)」とノー天気に考えていました。

ところが、実際に学び続ける中で、
母親との関係が深く関係している、という現実にぶち当たりました。

同じように心理学を学んでいる仲間も、
母親との関係が生きづらさに影響を多かれ少なかれ与えていました。

もちろん他にも原因や影響を与えているものはあると思います。
だからこそ、原因を知っておく、ということは
これからの自分の人生を創っていくには必要な要素になってくるかもしれません。



ちなみに、私は反抗期らしき反抗期がなかったらしく、
親の言うことを聞く「イイコ」として学生時代を過ごしてきました。



父親に対しても「お父さんキライ」や
「お父さんと洗濯物一緒に洗わないで」なんてこともありませんでした。

だからダメ上司との関わりの中で、嫌いな年上の男性に対して
どう対応していいのかわからなかったのです。

それは母親の育て方にも要因があったと思います。

お父さんは家族のために頑張って働いている、
だからあなた(私)は生活できている、感謝しなさい。


そう言われて育ちました。

私の父は職人気質で真面目で家庭を大切にする人でした。
そして母方の祖父も似たようなタイプでした。

だから部下に仕事を押し付けてオネーチャンのいる店に呑みに行き、
貢いでいるダメ上司みたいなタイプは初めて見るタイプで、
どうしても尊敬することも好きになることもできませんでした。

それが理解できた今では、似たようなタイプの人がいても
距離を取って薄っすら目を開けて視ることができるようになりました。

私はキャリアコンサルタントになってから、
楽しく人生を過ごす、ということをモットーにしています。

キャリアコンサルタントになったきっかけも、
ダメ上司との関係がうまく構築できなくて、
傷ついて自律神経失調症になったことでした。

言いたいことも言えず、自分が悪いのかもしれない、
と自分を責め我慢を続けた結果でした。
なぜ自分が自律神経失調症になったのか?というのは
当時本気で不思議に感じていました。

そこで心理カウンセラーに話を聴いてもらったり、
キャリアコンサルタントの勉強をする中で、
自分と向き合う時間をしっかりと取るようにしました。

キャリアコンサルタントになってからも、
コーチング、色彩心理学、NLP、心理学、メンタリングなど
たくさん時間とお金をかけて学んできました。

同じように親との関係から生きづらさを感じているたくさんの仲間にも出会いました。
みんなそれぞれ自分と向き合い、ときには涙を流しながら自己開示を行い、
自分の傷を知り、癒す、ということを繰り返してきました。

ご多聞に漏れず、私も同じように自分の傷を知ることからスタートしました。
安心・安全な場で自分の気持ちを聴いてもらうことはとても大切な時間であり経験だと思います。
第三者的な利害関係のないプロ、心理カウンセラーなどに話を聴いてもらうことも、
あなたらしさを取り戻すためには必要かもしれません。

そして今、私が心掛けていることはお気に入りのぬいぐるみに
自分の名前を付けて思い切り抱きしめること。

「よく頑張ったね、エライね」「いい子だね」、
しんどいときは「お疲れ様、頑張ったね、それ以上無理しなくていいよ」など、
幼い頃にかけてほしかった言葉をたくさんぬいぐるみに向けて話しています。

たまに恥ずかしくなりますが、私くらいは私を無条件に褒めてもいいだろう、と開き直っています。
だって自分の機嫌は自分にしか取れないと思うから。


また、アドラー心理学の本を読み進めている中で、
「課題の分離」というものに何度も出会ってきました。

文章として理解はできていても、なかなか気持ちが付いてくるものではないですが、
それでも「相手がどう思うかは相手の問題」と唱えるようになりました。

これは他人からの評価を気にしすぎる私にとっては少し足枷を緩めるにはとても効果的でした。
傍若無人、好き勝手振る舞っていい、というわけではなく、
どんなに誠意を尽くしてもわかり合えない場合もある。
わかり合えないことで生じる課題があるかもしれませんが、
その課題を解決するもしないもまた相手の課題なわけです。
もしかすると「人事を尽くして天命を待つ」に少し似ているかもしれません。

私はやれるだけのことはやったのだから、仕方がない、
と自分を赦すことも必要な時があるのではないでしょうか。


時間とお金をかけたわりに、未だに「自分らしさ」が何なのかはよくわかっていませんが、
楽しいと思うことを仕事にして、推し活ができて、こうやって過ごせているのは
本来の自分に近しいことなのかもしれない、と感じています。


親の顔色を見て育ったということは生きづらさを感じる原因になっているかもしれません。
もがきながら頑張ってきたことは今までの糧であり、これからの糧にもなるのだと思います。



そして自分の感情や意見を大切にすることができたら、
あなたらしい時間を過ごすことができるようになるのかもしれません。



時にはゆっくりと、時には専門家のチカラも借りながら、
自分らしさ、あなたらしさを大切にできる時間を過ごしてください。

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